魔性のスマホ
訓練を行う教室……
教室で良いのかわからないがその部屋は広すぎず、訓練生同士の距離感は近い。
なので、昼食の時間はわりと会話になったりする。
決まって口を開いてくれるのは人生経験豊富な方だが、
ネタが尽きない事、尽きない事。
長く生きるという事がアドバンテージではない。
経験こそが本当の価値で、年齢ではなく誰かを敬うなら
その経験にこそ尊敬の念を込めるべきだと思う。
私も年齢だけは無駄に重ねているのだが、
それで威張りたいとか思ったことはないので、
基本的に年功序列とやらはポイでいいんじゃないかと思う。
話しはそれたがとにかく訓練生同士は距離が近い。
朝、自分から挨拶すればきちんと挨拶は返ってくるし、
会話もわりとあるのだ。
だが、大体の場合休み時間、昼食休憩中は
ほとんどの人がスマホを弄ったりしている。
その中には私も入る。
無論、予習や復習もしているのだが
軽い確認だけなので10分ぐらいで終わってしまい
間が空くのだ。すると、知らず知らずの内に手が伸びている。
ついったーを弄ったり、小説を読んだり、時間を潰す手段は無限にある。
夢中になるのは正直、分かる。分かりすぎる。
もしかすると、将来は近くに居ても
日が来るのかもしれない。顔を見て話せないというのは
ちょっと微妙な部分はあるのだが、顔を見ないからこそ
話せる話もあるのだ。だから、それならそれでいいんじゃないかと私は思う。
さて、予習をしようかなぁ。