昔を思い出す
ふと、ホームで祖母に呼ばれた気がした。
振りむいたけど、そこにはすれ違う他人ばかりで
そりゃ、そうだと電車に乗った。
電車に乗りながら、なんとなく昔を思い出していた。
思えば、小、中と親友と呼べる人物はいなかった。
まぁ、高校にもいなかったのだが。
出来た友達はここぞとばかりの時に裏切るのに、
次の週にはケロッと「え、それなんの事?」という感じの人物が多かった。
今ではすっかり縁が切れている。もしかすると、友達ですらなかったのかもしれない。
近しい他人。そう考えると今、少し会話する程度の職業訓練の
同期の人たちの方がまだ、近しい様に感じる。同じ目標があるからだ。
もし、小学で 中学で、高校で
一生の友と呼べる人物と出会っていたらどうなっていたのだろう、
と思う事はある。何か変わったかもしれないし、そうでなかったかもしれない。
でも、もっと充実した学生生活を送りたかったな、と思う時もあるのだ。
小学の友人との縁は切れた。中学のも同じだ。
そして、高校の頃のわずかな友人とだけが関係が残っている。
そして、手元にある一番強い絆はネットの中にある。
妙な人生だ。これでいいかと言われれば、これでいいと私は言う。
やり直しは望まない。今あるものを手放して、それで幸せになれるのだとしても、
それが正しいとは私は思えなかった。