虚言癖
昔、何かにつけて嘘を言っていた事を思い出す。
自分が大きく見られたかった、自分が偉く見られたかった。
そんな所だと思っていたのだが、まぁ、要するに
母親はおらず、父親も仕事で祖父母は早々に亡くなってしまったので、
家では一人だった。見てくれる人がいなかった。
孤独な世界の中で、自分がここにいるんだと、
見てくれよと言って欲しかったのだと、今は思う。
まぁ、顔は微妙なくせに芸人になりたいとか、
有名人になりたい。俳優になりたい。そんな思いを零していたことがあったが
今となってはすっかりそんな気持ちが消え失せていることからも、
孤独感からの行動だったのだと、確信している。
そういう人はきっと、世の中にはいっぱいいるんだと思う。
結局、自分が弱い人間だと自覚した瞬間、崩れ落ちてしまう人は多いのだ。
かつての私がそうだったように、
一度崩れ落ちれば、一人で立ち上がるのは非常に難しい。
だからきっと、ぎりぎりの所で頑張っているんだと思う。
だから、そういう人を見た時はまずはしばらく話をしてみて欲しい。
そうして、その人が嘘を捨てられたら
きっと、その人にとって世界は少しだけ優しくなる。
私が今、そう感じている様に。