現実との境界線
子供の頃、漠然とした記憶がある。
雷の音が響く日、友達と一緒に膝を抱えていると
目の前に雷が落ちる、というものだった。
本当の記憶の様に鮮明に残っているのだが、
そんな事があれば家が燃えてるし、そもそも目の前であの
光をくえらば失明もあるんじゃないかと思う。
なので、おそらくこの記憶は間違いなんだろう。
でも、はっきりと記憶に残っている。
そういう記憶は、他にもいくつかある。
そういう記憶があると、現実という物がよくわからくなる。
今、見えているものが現実で
それ以外は偽物なのだろうか。
それは何か違う気がする。
でも、確かじゃないものを現実としてしまえば
やはり現実は揺らぐ。
どこまでが夢で、どこからが現実か。
あるいはどこまでも夢なのか、どこまでも現実なのか。
人によって、感じ方は違うのかもしれない。