自家製サウナ
冷房の調子が悪い。
というのもこの冷房、私が3歳ぐらいの頃にはもうあったので
恐らく、生まれる前から設置されていたと思われる。
なので、製造30年以上のかなりの高齢者という事になる。
此処までよく持ったと褒めるべきであって、ののしるべきではないのだろう。
と、思いつつも吐き出される温風に苛まれながら狂った様に
「直れ! 直れ!」とたたき続けた5分を責める人もいないだろう。
涼しさを求めて家に戻ってきた。
その結果、できていたのは入った途端、額から汗がだらだらと流れる
サウナ(少し言い過ぎだが)だったと思えば気持ちも分かってもらえる
かもしれない。
流石に無理か、と父に相談してみると
やはり少し前から調子が悪かったので
買い替えの準備はしていたという事だった。
古い物がなくなるのはどこか悲しさがある。
不思議な気分だが、あの機械は私と共に年代を重ねたのだ。
ノスタルジックな気分に包まれつつも、1日が終わる。
何時か私が知るものも人もどんどんなくなっていくのだろう。
少し寂しい。