出来る限りはやったのだろう
朝、机に向かう。
数日かけて志望動機などを埋めたが
下書きが用紙の半分を少し超えたくらいであった。
思えば、一つ前の職業訓練の申し込み。
まず落ちる事はないという言葉を真に受けて
3行程度で終わらせてしまった様な記憶がある。
これでは駄目だと少しずつ水増ししてみるものの、
精々、2行程度増えたぐらいであった。
そもそも2日かけて3行しか埋まらないのだから、
そこから更に埋めようとしても無理というものだった。
どうしたものかと悩む。
書いて、消して、書いて、決して。
やはり増えていかない。30分ほどして
これで本決めにしようと決意した。
これ以上は無理だろうと判断したからだ。
嘘で塗り固める事はできない。
そんなに神経図太くはない。
少しも思いもしていない事を書くこともできない。
自分をよく見せようとする素振りが嫌いだからだ。
此処まで書けた。ならこれで良いじゃないか。
これが本心だ。嘘偽りのない。
これで落ちるなら此処とは自分は縁がなかったのだ。
多分、そういう事なのだろう。